開発しちゃった!

高知のじっちゃんの今までの歩みです。

鉄材の脱硫剤開発しましたけれども・・・・・・

30数年前ですが、鉄鋼、鋳物等の副資材製造販売をしていました!

鉄を作るには、鉄鉱石を溶解する『高炉」スクラップを溶解する「電気炉」が有ります。鋳物を作るには、スクラップを溶解する「アーク式電気炉」「高周波炉」「低周波炉」「キュウポラ」等が有ります。鉄鉱石やスクラップは、鉄以外の不純物だらけの原料を使用します。鉄材の品質を向上する為には、避ける事が出来ない作業工程が有ります。鉄を溶かした中の不純物として燐(P)硫黄(S)が有ります。燐はスラグとして除去できても、硫黄は容易に除去出来ない不純物です。

私が立ち合いテストした会社は大手会社でした。鉄鉱石から鉄を製造する工程の中に、脱硫装置を使った脱硫工程が有り、脱硫剤を作って立ち合いテストをしました。鉄材は皆さんご存知のように、船舶、新幹線とレ~ル、建築ビルの柱等、電車、自動車等沢山のものが存在しています。

何故脱硫装置まで作って脱硫しなければならないのか!

同じ部品で重量が重いより軽い方が良い!従来の強度が維持できるんなら、自動車も電車も新幹線も、軽いとエンジンは小さくなります。同じエンジンならスピードが出ます。品質が向上すれば、超特急も出来る事になりますよね!!!

圧延工程で硫黄が多く含まれると、すごい音で出して割れます。製品がスクラップに成る瞬間です。

鉄の中の硫黄分は、0.03%が当時では普通でした。それを0.01%にする為のテストだったのです。

脱硫剤の原料はカーバイド粉末です。危険物3類に属し。水と反応して爆発する材料です。当時は不活性ガス中で粉砕していましたが、危険な物質でした。

そこで私の開発です。

私の考えでは、脱硫装置を使って脱硫剤を吹き込んだ時、どの様にして脱硫剤を拡散するかを考えました。

開発結果は、粉砕中も不活性ガスは不要で、脱硫装置内では脱硫剤は激しく攪拌出来る方法を考え、実施しました。カーバイド粉末は、水の中に入れてもしばらくは水と反応せず水に浮いていました。これだ!!と思い立ち合いテストする事になりました。

でも、3チャージのテストで、すべてカウントバッグ(鉄中の分析装置)が、故障なのか?反応しなかったのです。

後で化学薬品で分析した硫黄成分は、0.002%が検出されました。皆さんは驚いています!!カウントバッグは硫黄成分は0.01%以下は分析出来ない装置だったのです。

私はニッコリ!!その場で注文を受けました

でも

自社に帰って上司に報告しましたが、製造許可は降りませんでした。

理由は、危険だから・・・・

私は説明しましたが・・・サラリーマンです。上司に逆らえません!!

実現できませんでした!! 残念です!!!